クスコで伝統音楽に合わせて踊っている子供達のグループに遭遇

私は、言語や文化の継承に興味がありそれを仕事にしているのに、こういうものにはとても興味があります。このような原住民の伝統文化が消滅しつつある中、やはり、言語も文化も小さい時から親しみ、学ぶのはとても大切なことだと思います。ここで、ペルーからそれてちょっとパプアニューギニア話に(久しぶり

)
現在仕事をしているベベリの人たちは(ベベリ情報はこちらから
ベベリの人たち)、残念ながらベベリ独自の言語文化をほとんど失ってしまいました。つまり、次の世代には継承されておらず、現在50代60代の人たちが最後の世代になると思います

これって病気と似ているので、気が付いた時にはかなり手遅れなんです

なので、ここからどれくらい少しでも長く持つかが大切

多くのユニークなベベリの文化の中でも、ひときわ私が興味を持っているのは、ネンブルという文化です

これ、説明すると長くなるので、短く言うと、亡くなった村のチーフの骨を掘り起こし、男性の家に飾ると言う儀式

もちろん、この儀式はもうされていないです。そして、この儀式で踊られるのがネンブル用の歌と踊り。それを知っているのが、村のおばあちゃんなんです。このおばあちゃんが唯一知っている、いわゆる最後の生き証人

この事実を知ってから、私は村の人に、せめて踊りと歌は残すように伝えていたんです。そして、今回、なっなんと


3月にパプアニューギニアに行ってきました

もちろん、ベベリの研究で。ベベリの人たちには、私の来村を伝えていました。そして、なんと私を驚かせる作戦を決行したのです

おそらく60年は踊られなかったネンブルを村人たちがおばあちゃんに教えてもらい、密かに練習

そして、私が来村する時にネンブルでで迎えると言うもの。もちろん、私は行くまで知りませんでした(と言うことにしているんだけれど、実は前日にスパイ?から聞いていたの笑)。
村にいく当日、前もってまずは「今から行くよ」コールをし、山を登り久しぶりのベベリの村へ

と、そこで遠くからパプアニューギニアのクンドゥーと言うドラムが聞こえる

そして、村の中心に到着すると、伝統儀式用の衣装(つまり葉っぱで体に飾り付け)した人たちが出てきました。そして、その人たちに連れられて、男の家(メンズハウス)に連れられ、私も葉っぱの飾り付けをしてもらいました。

鼻にはイノシシの牙

そして、みんなでネンブルを踊り

お土産のタロイモと床に引くマットをもらい

集合写真

もう一枚。

何故、私を驚かせようとしたか、何故、ネンブルを練習し踊ったか。それはね、私が言うのも恥ずかしいんですが。。。私の研究へのお礼だったとのことです

部外者の私が、自分たちの言語や文化を心配して、記録しているのに自分たちは何もしていない。とっても恥ずかしい。と思ったみたいで、お礼のため、そして、今まで忘れ去られて、私がずっと気にしていたネンブルを復活させようとみんなで話し合ったんだって

もちろん、私はそんなお礼なんて期待してもいないし、思っていないのに。こちらの方こそ、仲間に入れてもらえて感謝でいっぱいなのに

でも、彼らの思いを見て感じた時に、本当にやっていてよかったと思いました。一人でも多くの人が、後世に自分の文化や言語を残そうとしてくれるだけで、本望です。ありがとうございます。
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